zero length array, flexible array
たまたま目に入ったこのコードを見ていて, zero length arrayって末尾のメンバ以外でも使えたんだって思って気になるところを調べてみた.
Flexible array
C99から入った機能. 配列の長さを宣言しないことで利用できる. sizeofはできない. 構造体などの末尾フィールドに置くことができる. 典型的な使い方は以下のような感じ.
struct Data { // some fields SomeData s[]; }; struct Data *d = malloc(sizeof(Data) + some_arbitrary_size);
ポインタを使ってしまうと構造体とこの末尾のデータがある場所は別の領域になってしまうわけだが, このようにすることで連続するメモリにすべて割り当てることができる.
構造体の末尾以外に置くことはできない
struct Data { int a[]; int b; };
このようなコードはエラーとなる
a.c:2:7: error: flexible array member not at end of struct 2 | int a[]; |
Zero length array
GCC拡張. C90時代から使えたもので, 宣言時に配列サイズを 0とする. Flexible arrayと違い構造体に何個でも宣言でき, GCCでは sizeofを行った場合 0が返るものと規定している.
struct Data { int a; unsigned char b[0]; int c[0]; };
このように宣言した場合, b
と c
は同じ先頭アドレスを持ち実質的に union
のようになる.
#include <stdio.h> #include <stdlib.h> struct Data { int a; unsigned char b[0]; int c[0]; }; int main() { struct Data *d = malloc(sizeof(int) * 2); printf("&d.a=%p\n", &d->a); printf("&d.b=%p\n", &d->b); printf("&d.c=%p\n", &d->c); d->b[0] = 0; d->c[0] = 0xdeadbeef; printf("d.b[0]=%x\n", d->b[0]); printf("d.c[0]=%x\n", d->c[0]); return 0; }
結果は以下の通りで
&d.a=0x559613d242a0 &d.b=0x559613d242a4 &d.c=0x559613d242a4 // cは bと同じアドレス d.b[0]=ef // cを書き換えると bも変わってしまう d.c[0]=deadbeef
Flexible array, zero length arrayを使わない場合
今時そんな環境はないと思うが, C99以前かつ GCC拡張が使えない場合は長さ 1の char配列などを置いて代用していたように記憶している.
その他
上記の変更が含まれる PRにあった non temporalって何ぞやと思ってググると下記の解説があった.
Non-temporal in this context means the data will not be reused soon, so there is no reason to cache it.
とのこと. streamな dataで, 非常に計算速度が重要なものになるとそこまで意識する必要があるんですね. 計算する際キャッシュにうまく載せることは考えたことあったけど不要なものはそもそも載せないという発想がなかった.
いろいろ学びがあった.
markdown-fontify-whole-heading-line
markdown-mode
に markdown-fontify-whole-heading-line
flagを実装した. 機能としては org-fontify-whole-heading-line
と同じで, non-nilの場合 header lineを丸々一行色付けできるようになる. 特に emacs 27で追加された faceの extend
属性を non-nilにして, 背景色を設定すればその行をすべて色付けできる. (補足 extend
属性が nil
だと文字がある部分までしか色付けされない)
設定は以下のようになる
(setq markdown-fontify-whole-heading-line t) (set-face-attribute 'markdown-header-face-1 nil :extend t :background "green" :foreground "black") (set-face-attribute 'markdown-header-face-2 nil :extend t :background "pink" :foreground "black")
Visual Studio Code 1.67(2022 April)で入った Toggle Inlay Hintsが良い
詳細は公式サイトを見てください。
Visual Studio Codeでは上記のように型を書いていなくても型を表示してくれるわけですが, 正直うざいと思うことが多い。特にあまり型を明示的に書かない F#や Rustの場合. 見た目もそうなのだが, 文字を挿入したり削除するときどこにカーソルを合わせるのが適切なのかがわかりづらかったりする問題もあってあまり好きではなかった。ただしどうしても型を知りたいこともあり有効にするか悩ましかったのだが, 先のフラストレーションの方が大きかったので一部機能を無効化していた(F#では細かく設定できたため, 変数と関数呼び出しの型表示を無効化していた).
1.67で入った Toggle Inlay Hintsがこの問題を解消してくれた. editor.inlayHints.enabled
は on
, off
しかできなかったのだが, ここに onUnlessPressed
, offUnlessPressed
という値が設定できるようになり, それぞれデフォルトで Ctrl-Alt
を押している間だけ型ヒントを表示, 非常時にできるようになった. offUnlessPressed
に設定すれば普段は非常時, 型が見たいときだけ Ctrl-Alt
を押せばよくなり, 個人的に非常に使い勝手の良いものになった.
補足: F#の関数の型とパイプラインオペレータを使ったときの行末の型は常に表示するようにしています. 各変数や引数の型が Ctrl-Altにより表示を切り替えられるようになっている.
設定方法
GUIの場合は inlay
等で検索して項目を設定する
settings.json
の場合は以下の通り
{ "editor.inlayHints.enabled": "offUnlessPressed" }
scoop cleanup
Windowsでのパッケージ管理には scoopを使っているが, scoop cleanup
を知らなかった.
> scoop cleanup '*' Removing 7zip: 19.00 21.06 Removing bat: 0.18.2 0.18.3 0.19.0 Removing cmake: 3.21.3 3.21.4 3.22.0 3.22.1 3.22.2 3.22.3 Removing deno: 1.16.4 1.17.0 1.17.1 1.17.2 1.17.3 1.18.0 1.18.1 1.18.2 1.19.0 1.19.2 1.19.3 1.20.1 1.20.3 1.20.5 1.20.6 1.21.0 1.21.1 Removing fzf: 0.27.2 0.27.3 0.28.0 0.29.0 Removing gh: 1.10.3 1.11.0 1.12.1 1.13.1 1.14.0 1.9.1 1.9.2 2.0.0 2.1.0 2.2.0 2.3.0 2.4.0 2.5.0 2.5.1 2.5.2 2.6.0 2.7.0 2.8.0 Removing go: 1.16.3 1.16.4 1.16.5 1.16.6 1.16.7 1.17 1.17.1 1.17.2 1.17.3 1.17.4 1.17.5 1.17.6 1.17.7 1.17.8 1.18 Removing gradle: 7.0 7.0.2 7.1 7.1.1 7.2 7.3 7.3.1 7.3.2 7.3.3 7.4 7.4.1 Removing lessmsi: 1.8.1 1.8.2 1.9.0 Removing llvm: 11.1.0 12.0.0 12.0.1 13.0.0 13.0.1 14.0.0 14.0.1 Removing python: 3.10.0 3.10.1 3.10.2 3.10.3 3.9.4 3.9.5 3.9.6 3.9.7 Removing ripgrep: 12.1.1 Removing rustup: 1.23.1 1.24.0 1.24.1 1.24.2 Removing sqlite: 3.37.2 3.38.0 3.38.1 3.38.2 3.38.3 Removing zoxide: 0.7.3 0.7.4 0.7.5 0.7.7 0.7.8 0.7.9 0.8.0 Everything is shiny now!
だいぶ古いものが溜まっていた.
HTTP::Tinyで httpsアクセスで 599が返るようになった問題の修正
某モジュールのメンテンスでテストに必要なモジュールを入れようとしたらそもそもエラーが出るということで, エラー原因を調べてみたところ下記のようなエラーが出ていた。HTTP::Tiny
を使った httpsへの GETが軒並み失敗していることが原因であった。
$VAR1 = { 'headers' => { 'content-type' => 'text/plain', 'content-length' => 110 }, 'success' => '', 'url' => 'https://fastapi.metacpan.org/author/XSAWYERX', 'status' => 599, 'content' => 'IO::Socket::SSL 1.42 must be installed for https support Net::SSLeay 1.49 must be installed for https support ', 'reason' => 'Internal Exception' };
IO::Socket::SSL
も Net::SSLeay
も最新バージョンが入っているのになんでだろと思って以下のコードを実行したところ, 次のようなエラーが出てすぐに問題が特定できた. Ubuntuをアップデートしたところ OpenSSLのバージョンが更新されメジャーバージョンも変わってしまったために再コンパイルが必要になっていただけであった.
use IO::Socket::SSL;
Can't load '/home/syohei/.plenv/versions/5.34.1/lib/perl5/site_perl/5.34.1/x86_64-linux-thread-multi/auto/Net/SSLeay/SSLeay.so' for module Net::SSLeay: libssl.so.1.1: cannot open shared object file: No such file or directory at /home/syohei/.plenv/versions/5.34.1/lib/perl5/5.34.1/x86_64-linux-thread-multi/DynaLoader.pm line 193. at /home/syohei/.plenv/versions/5.34.1/lib/perl5/site_perl/5.34.1/IO/Socket/SSL.pm line 19. Compilation failed in require at /home/syohei/.plenv/versions/5.34.1/lib/perl5/site_perl/5.34.1/IO/Socket/SSL.pm line 19. BEGIN failed--compilation aborted at /home/syohei/.plenv/versions/5.34.1/lib/perl5/site_perl/5.34.1/IO/Socket/SSL.pm line 19. Compilation failed in require at a.pl line 2. BEGIN failed--compilation aborted at a.pl line 2.
再インストールしたら問題が解消した
cpanm --reinstall Net::SSLeay
apt-key deprecation warningの解消
W: https://packagecloud.io/slacktechnologies/slack/debian/dists/jessie/InRelease: Key is stored in legacy trusted.gpg keyring (/etc/apt/trusted.gpg), see the DEPRECATION section in apt-key(8) for details.
最近上記のような警告が出ていて何のことかわかっていなかったけど、apt-keyが廃止とのことだったのでこの際修正してみた。記事を読むと本質的な対応ではないようだが, 3rd partyのリポジトリのものはひとまずこれで良いっぽい. 手順は上記の askubuntu.comの手順の通り. まず該当の鍵を探す
% apt-key list Warning: apt-key is deprecated. Manage keyring files in trusted.gpg.d instead (see apt-key(8)). /etc/apt/trusted.gpg -------------------- pub rsa4096 2016-02-18 [SCEA] DB08 5A08 CA13 B8AC B917 E0F6 D938 EC0D 0386 51BD uid [ unknown] https://packagecloud.io/slacktechnologies/slack (https://packagecloud.io/docs#gpg_signing) <support@packagecloud.io> sub rsa4096 2016-02-18 [SEA]
次にそれを exportする
% sudo mkdir -p /usr/local/share/keyrings % sudo apt-key export 038651BD | sudo gpg --dearmour -o /usr/local/share/keyrings/slack.gpg # 鍵IDは apt-key listで得られたもの(末尾2ブロック)
sourceファイルを編集し, exportしたものを明示的に指定する
% sudo vim /etc/apt/sources.list.d/slack.list
以下のように書き換えた
deb [signed-by=/usr/local/share/keyrings/slack.gpg] https://packagecloud.io/slacktechnologies/slack/debian/ jessie main
apt update
をして警告が消えるかを確認する
sudo apt update
問題が解消したら鍵を消す
sudo apt-key del 038651BD
ついでに expiredの未使用の鍵がたくさんあったので消しておいた.
良いコード/悪いコードで学ぶ設計入門
良いコードを書くのは難しいなと思った。自分が今どういうコード書いているのかとか激しく依存するからここに載っていることをすべて実践すればうまくいくのかと言われるとなんとも言えない。経験がある人で良いものも悪いものも知った上で今の自分が関わっているコード、これから関わるであろうコードに対してちゃんと考えて適用するってのがいいのかなと思った。悪いって書かれているものも必ずしも悪いかというとそうではないケースもあるんじゃないかなと思ったので、個人的には何も知らない人けど良いコードを知りたい人は少し向かないんじゃないかなと思った。良いと書かれているものでも本当にそうだろうか、自分たちのものに適用するのが正しいのだろうかと考えられるぐらいの人に適しているのかと思いました。